淺田正一郎(元三菱重工業 宇宙事業部長)

第2段エンジンは、H2AやH2Bといったこれまでのロケットを踏襲したもので、使用実績もたくさんある。信頼性も高く、いかなる状況下でも着火するシステムなので、これが着火していないということは、エンジンの問題ではなく、着火信号が行っていない、ということだろう。過去に第2段エンジンが燃焼しなかった例は聞いたことがない。 第1段エンジンに燃焼などの指示はできているので、第2段エンジンを制御するコンピューターの問題だと思われるが、現時点では原因について何ともいえない。 日本にとってインパクトが大きい。ロケットの打ち上げがうまくいかないこととともに、人工衛星が打ち上げられないことが非常に痛手で、諸外国に遅れをとることが懸念される。原因究明によって自分たちが把握できていなかったことを見つけることになると思うが、次の打ち上げに反映し、信頼性の高いロケットに仕上げてほしい。